【人間区宝さん vol.002】山下食糧株式会社 山下さん

今回の【人間区宝さん】なんですが、城東区を飛び出しお隣の東成区にやってきました。日本人の主食は”お米”です。そんなごく普通に、当たり前に食卓にならぶ”お米”に魅了された一人のお米屋さん、、、、



”五ツ星お米マイスター” 山下さん です。

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山下さんは東成区は中道にある
「山下食糧株式会社」という創業70年になるお米屋さんを経営している「社長」さんです。




実は以前からこのお米屋さんが気になっていて、、、。というのも外観がいわゆるお米屋さんっぽくないんです。まるでカフェ?と思わせるような外観にテント部分に”RICE MEISTER SHOP(ライス マイスター ショップ)”とデザインされていて、これは何だ!?という感じでした。お米をスーパーなどで買っている筆者としても気になることが一杯あったのでお米について色々聞いてきました。

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東成区中道にある山下さんのいてるお店「お米のやました」。

地図ではここです↓




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こちらに行くと「森ノ宮公団住宅前」交差点に出ます。中央大通りの「ロイヤルホスト」がある交差点です。

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反対にこちらに行くと玉造方面に行くんですが、このまま真っ直ぐ行って「玉津1」という交差点を右折するとJR玉造駅にでます。

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道を挟んだ向こう側に「北中道小学校」があります。

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外にあるものもお米屋さんというよりカフェな雰囲気♪

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もちろん精米所も完備されています。

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お米マイスターのデザインがほどこされています。では早速お店の中に入りたいと思います。

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店内はまるで図書館みたい!!!いや梅田にできたTSUTAYAみたいや!!(行ったことないけど笑)それともカフェ!?間違いなくお米屋さんとはだれも思わないでしょう!!!!

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お米だけでなく色々なお米にまつわる商品から様々な商品が販売されています。

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ということで山下食糧株式会社の代表でありの”五ツ星お米マイスター”の山下さんです。


めっちゃダンディーで男前な方です!!



―いきなりなんですが”五ツ星お米マイスター”ってお米の業界では有名な資格になるんですか?

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山下さん
そうですね、一応オフィシャルな資格で知識的なこともそうですが、例えば見るだけで銘柄がわかるとか実技面の試験もあります。そういったことができなければ仕入れもできないですし、余計なものが混ざってる混ざってないってことも見分けれないので。そこは専門的になりますけど、マイスターっていうぐらいなんでそれぐらいはできないといけないと思います。


五ツ星の前に3ツ星お米マイスターがあるんですけど、三ツ星の資格を取れた人がさらに勉強して取ることができるのが五ツ星お米マイスターですね。ソムリエでいうとシニアソムリエみたいなもんです。



―五ツ星って人数的にどの程度の方がもってる資格になるんでしょう?



山下さん
三ツ星は結構持ってる方多いんですけど、五ツ星となると日本で250人ぐらいですかね~。まあいうても米屋さん自体そんな多くないですから。



―え~~でも日本で250人ってすごいですね~!!ところで ここのお店っていつからあるんですか?


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会社自体はもう70年ぐらいやっていまして、10年ぐらい前にお店の間口をいじって変えたんでお店自体の雰囲気はかなり変わりましたね。


―振り返ってみるとお米の業界も今まで色々大変な時期ってあったと思うんですけど今のお米事情ってどんな感じなんですか?



山下さん
まあそうですね~産地偽造とかもあったり外国米とかもあったし、今ならTPPとかの絡みとか、いろいろ常にありますけど僕らはとにかく「産地と一緒にやって美味しいお米作っていきましょう」、「そしてそれをお客様にお届けしましょう」というスタイルです。でお客さんも単に食べるだけじゃなくてお米ってその家の食卓であり、必需品みたいなもんやと思うんで結構意味合いは大きいんじゃないかと思うんです。だからその感覚から行くともっとお米について知ってもらいたいですし自信をもってほしいんです。

生産者、米屋、お客さん、3者がお互いに情報を共有できて、顔がみえるような関係を保っていきたいと思ってます。


―ということはお店においてるお米ってその産地にいって生産者の方と顔合わせて仕入れてるってことですか?

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山下さん
そうですね。あ!でも毎年銘柄は変わりますよ。こればっかりは今年美味しかった銘柄も、来年になって天候が悪くて出来がイマイチってこともありますから。そこは気持ちはわかるんですが、でもお客さんに「産地の天候がイマイチで、、」なんて聞いてもらえないじゃないですか。そこは僕らの目利きとしての力も信用もなくしてしまうからね。まあそこのしんどい部分は代わりに になっとかんといけないと思ってます。


―実際美味しいお米って食べ比べたらわかるもんなんですかね?

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山下さん
わかりますよ。最初の情報とかもあるやろうけど、情報なしで食べ比べてもらってもわかるやろうし、情報はいった上で食べ比べるのも一つやと思いますし、違いを楽しむって意味で面白いと思いますよ。甘みや粘りがあるのが好きって方多いんですけど、それってあくまでもメジャーな意見でマイナーな意見もあるし。美味しさって十人十色ですよほんとに。そのマイナーな意見の方にもちゃんと選択肢も用意してご希望に添えれるようにっていうのは思ってますね。



―そうやってこだわりもってお米屋さんをされていると、こだわったお客さん多いですか?

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山下さん
多いですね~なぜか夕方に多いです(笑)まあ~でもありがたいですけどね~。米屋ってあんまり皆さん馴染みないでしょ?折角お店構えてやってますし入りにくいお店も多い中で入ってもらって長期滞在してほしいんですよね。でお米を知ってほしいんです。図書館に来て自分が探してる本を探すような感覚で見てほしいんです。




―実際お米についてこだわってる人ってまだまだ少ない感じなんですか?

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山下さん
感度の高い低いってあるとは思うんですけど、僕らには関係はないと思っていて、基本は来てもらって何か感動を覚えてもらって、何か家に帰るんが楽しみやなっていう気持ちで帰ってもらいたらんです。だってショッピングって楽しいもんですし、楽しんでほしいんでね。ネットで調べてお米に知識がある方もいて「これこれないですか?」とかってのも、もちろん対応しますけど、そういうこだわりの強い方だけのお店じゃないし普段使いしてくださるお客さんも多いですからね。


例えば、たまにお父さんが子どもの運動会でめっちゃ気合入れておにぎり作りたいからおにぎりに合う米ってない?っていうところから「おにぎりは三角ですか、俵ですか?具は何いれます?」とかを聞いてそれに合う米を僕らは選びます。そういうやり取りを「おもろいやんけ」「やるやんけ」って思ってもらえたら僕らの仕事ってそこから生まれるでしょ。


―ええ~~!?そこまでヒアリングして、その人に合うお米っての提案されるんですね!!すごいですね!

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食育や食生活アドバイザーの資格をもつスタッフさんと山下さん。



山下さん
そういうノウハウって飲食店さんやここ大阪でずっと商売してきて、文句言われたり失敗したりしながら、 もまれながらモデルを作っていってて、それをまたお客さんに還元してってその繰り返しですね。だから毎日お米さわってすし、そんなんも含めてわかっとかんとプロショップとはいえないと思うんでね、やっぱり。


だからこだわりとか特にないっていう方にも、「ま、とりあえず何でも言うてください」っていうてます、、例えば「お酒よく飲むんです」とか聞いて、「次の日結構お酒残るんです」とかやったら、そういう人でも食べやすいお米を提案しましょうか?とか うん、そういうことですよ。





―ほんとにかゆい所に手が届くではないですけど、その人その人にあった、なんやったらその環境、環境に合わせて最適なお米を選んでもらえるってことですよね。

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お客さんの中にファンがいるほど、ナイス接客をされるスタッフさんなんだとか。



山下さん
そうですね~。それに各家庭それぞれ環境があると思うんで「炊き立てが美味しいですよ」なんて言えないですよね。うちは時間がなくて炊いても一度冷凍してレンジでチンして食べるんですっていうような家庭もあると思うんです。じゃあレンジでチンして食べても美味しいようなお米を提案させてもらったり、その人が好きと思うお米を見つけるお手伝いができたらと思ってやってます。





―ではちょっと質問を変えますね。山下さんはずっとこのお仕事されてきたんですか?



山下さん
ここで働き始めて10年ぐらいですよ。社長になってからは3年ぐらいです。元々神戸でアンティーク屋の店長してまして、1年の3分の1を買い付けする為にフランスに行き、残りの3分の2を日本のお店でアンティークの販売などをしていました。神戸で10年、大阪で10年。で次の10年、東京で仕事を作ってる最中です。東京は事務所だけで、飲食店さん相手ばっかりですけどね。まだ小売りできるような規模ではないですね。




―アンティーク屋さんってまた全然ちがうところから来ましたね。あれ!これなんですか?

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山下さん
あ、これはね、サラダにドレッシングってかけるじゃないですか?だから新しいお米のお供として”コメッシング”ってのを作ったんです(笑)




―え!?コメッシング!?新しいお米のお供に!?その発想はなかったですね~(笑)

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山下さん
ちょっと変わってるでしょ?ちょっとね~多分変態なんですよ(笑)よくお前イッテるね!とかおかしいんじゃない?とか言われます(笑)



―変態って(笑)。お米の変態、、、(笑) では最後になるんですけど、お米屋としての夢というか今後の豊富みたいなものありますか?

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山下さん
やっぱり、お米屋としての存在意義というか地位向上したいですね。うちがってことよりもお米屋さんってないとあかんねんなって認識して欲しいですね。なんかようわからんじゃないですか、お米屋って米売ってるぐらいの感覚でしかないと思うんですけど、そうじゃなくてここまで親身になってうちの米用意してくれてんねやって思ってもらえるようになりたいし、災害があった場合でも量販店とかやと仕入れて売る分しか在庫ないけど、誰かが集中して買いに走ったら在庫なんて2~3日で尽きてしまいますけど、うちら専門店なんでもし万が一の事があっても1ヶ月分ぐらいの在庫は備蓄できてますからお客さんのことは助けることはできますし動けると思うんです。だからチョイチョイないとあかんのとちゃうかなって思うんですよね、その町々に。



―最後にまたいいお話聞けました~今日は長い時間ありがとうございました!!


山下さん
こちらこそありがとうございました。

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いや~ほんとにここには書ききれない楽しい話を沢山していただきました!お米でここまで多角的にアプローチできる人がいるのかっていうぐらい引き出しをお持ちで聞けば聞くほどお米の奥深さを感じました。普通のお客さんも沢山いらっしゃいますが、密かに飲食店さんの間で”お米についてすごくマニアックに語るお米の変態がいる”っていう噂で有名になりつつあるとか(笑)

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ポン酢っぽい風味にうま味成分がギュッとつまったような不思議な味の”コメッシング”ご飯で食べたら美味しかった!



そんな山下さんに会うことができるお店”お米のやました”は東成区は中道にあります。また近いうちにMy favorite riceを探しにお店に伺いたいと思いま~す。今回書ききれなかった看板娘さんと山下さんとの掛け合いもすごく面白いので興味ある方は是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?

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豆腐にかけても抜群に美味しかった!!!



山下さん、お店のスタッフの方々お忙しいところ色々とお米の魅力についてお話しくださってありがとうございました!!

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色々な料理にも使えます♡






ありがた~~~~い名言
「お米マイスターのマイは迷うの迷ですよ」 (笑) by 山下さん(五ツ星お米マイスターまたの名をお米の変態)




◇関連リンク
山下食糧株式会社 公式FBページ