2年に1度大阪城野外音楽堂で開催されている「つながらーと」というイベントをご存知でしょうか?
ひょっとすると「名前は聞いたことがある」という方もいるかもしれません。
2014年に第1回目が開催され当時から有名ミュージシャンをはじめ様々なアーティストたちが出演する入場無料のイベントとして注目されていました。開催ごとに参加者が増え前回は延べ2000人もの人が参加。
「面白いね」といってイベント趣旨に賛同しミュージシャンやアーティストが出演するイベントで、多くの方を巻き込む「つながらーと」とは一体どんなイベントなのか?その魅力や想いに迫るべく主催者である豊田さんにお話を伺ってきました。
-はじめまして!つながらーとは第1回目から知っていて記事にもしてきてたんですが、掘り下げたことがなくて実はよくわかっていません。なので気になること色々聞かせて頂けたらと思ってます、よろしくお願いします。
豊田さん
はじめまして、こちらこそよろしくお願いします。
-「つながらーと」って2年に1度ということなんですが、普段は豊田さん何をされてるんですか?
豊田さん
普段はチットチャットスポーツ塾という放課後等デイサービス・児童発達支援などを行う「障がい児のためのスポーツ塾」で働いています。1時間お子さんを預かって運動を通じて生きる力を引き出していくようなサポートを行っています。
-ずっとその業界で働かれているんですか?
豊田さん
広島から大阪に出てきて6年務めたアパレル工場での仕事をやめ、何かもっと人の役に立つような仕事に付きたいな~と思っていたところに知人の誘いで障がい者の生活支援を行う「ガイドヘルパー」となったのが始まりです。
起こしにいって寝るまで、まさに生活のすべてを支援するような仕事ではじめは面喰うことも多かったですが、いろんな人がいてるんだなと純粋に世界観が広がりましたね。
-アパレルの製造からガイドヘルパーってまた全然違う業種にチェンジされましたね。ガイドヘルパーとして働くようになってある想いを抱くようになったとか?
障害者支援事業所(NPO法人 ぴよぴよ会)には40~50代の大人の人も多くて「この人たちの本当に楽しい事ってなんだろう?楽しく毎日すごしてるのかな?もう少しこの人たちの良さみたいなものが小さい頃に引き出せてたら、ちょっと違う人生だったり、面白い人生だったのかな」って勝手に思うようになっていったんですよ。本人たちはそんなこと思ってないかもしれないんですけどね(笑)
一緒に遊んでその人がほんとに輝けること、楽しみとか趣味とか好きなことを見つけていればという想うようになってきたんですよね。そこでたまたま僕が好きだった音楽やアートのイベントを介して肌で音楽やアートを感じてもらおうとぴよぴよ会でイベントを開催しはじめたのが「つながらーと」の原型ですね。
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-当時から今と同じようにアーティストの方を呼んだり入場無料っていうスタイルで開催されてたんですか?
豊田さん
いや当時は3000円ぐらいお金を頂いてやってましたね。もっと規模も小さくて30人ぐらいが参加するイベントでした。ヘルパーさんに連れてきてもらってといった感じです。
出演してくれていたアーティストの方々から「またあのイベントやらないの?」と聞かれることがちょくちょくあって、勤め先を辞めるというタイミングもあって「どうせやるならもう少し大きな会場でやろう」と会場を探してるところに大阪城野外音楽堂なら入場無料のイベントにすると6万円程度で借りれることがわかったんです。それぐらいなら持ち出しでもできそうだということで始めたのが2014年の第1回目のつながらーとなんですよ。
-今までと違う環境でイベントを開催してみてどうでしたか?
豊田さん
予想ではかかっても20万円ぐらいで何とかなるだろうと思っていたんですが経費はドンドン膨らんで、えらいことになりました(笑)沢山のアーティストや音響機材、スタッフさんに来てもらうのにタダで来てもらうわけにはいかないですからね。イベント趣旨を伝えると交通費とバイブス(気持ち)だけでいいっていう人もいて嬉しい反面、、なんとかせなあかんって思いましたね。
-資金集めはどのようにされてるんですか?また入場無料にしつづけるのは何か理由はあるんですか?
豊田さん
賛同いただける方からの寄付や協賛それに助成金です。ハッキリいって凄いメンバーなんで普通に4000円ぐらい入場料をもらってもお客さんは入ると思うんです。ただこのイベントを通じてミュージシャンの事だったりアートやスポーツ、障がいについても知ってもらいたいし、触れてもらいたい。何か視野を広げるきっかけになったり、繋がるきっかけになるんじゃないかと。その一歩を踏み出す為のハードルをさげる意味でも入場無料にしています。
-準備や寄付を募ったり、おっしゃる通り大変だと思うんですがなぜ続けてこれてるんでしょうか?
豊田さん
ぶっちゃけしんどいです(笑)でも希望あるし、どっかの誰かがほんとにやりいたいことやしたいこと、まあそこまで難しく考えてないけど、どこかで何かのきっかけになったら楽しい。儲からんけど、繋がっていくことで何か生まれることが儲けのひとつかな。でもお金儲けも大事だし必要。そんな事を考えながら動けるのも楽しさのポイント。だからしんどいけどやるって感じかな。
もうひとつは、多くの方も感じたと思うんですが3.11以降、特に人とのつながりが大事やなって気がしてて「何かあったらお願いできる」「声をかけあう」とかっていうリアルな繋がりがあれば、いざという時にも理解し合えし助け合えると思うんです。
障がい者の中には避難所ですごくしんどい想いをしたり理解されないことも多かったと思うんですよね。もしも特徴を知っていれば「気にせんで大丈夫よ」って、知ってるだけでも子供にもお母さんにも言ってあげられる。そういう風に沢山の人に様々なタイプの人がいるってことを知ってほしいっていう想いがあるというのもひとつですね。
-目標とかゴールって「つながらーと」にはあるんですか?
豊田さん
そうやね~小田和正から「歌わせてほしい」っていう逆オファーが来ることかな(笑)
-何それ!?面白いですね(笑)
最後に初めて参加する方や城東じゃーなるの読者の方々にひとことメッセージをお願いします。
豊田さん
楽しんでもらえたらええかな。
いろいろ言ってるけど別に繋がる必要もないし、逆に全員となんて繋がれないしね。ただその場にいてるっていうだけでも共有できるものってあると思うし、障がいがあるない関係なくみんなで楽しむ。そしてほんといろんな事を知るきっかけになればと思ってます。時間がある方やちょっとでも興味のある方はぜひ遊びにきてください♪
-ありがとうございました!!
豊田さん
こちらこそありがとうございました。
ということでいかがでしたか?
転職先で感じたことに、好きなことを掛け合わせることで色んな人に知ってもらうきっかけをつくってきた豊田さん。色んな形の色んな人がいることが、昔に比べ情報が出回り理解されることでお互いが生きやすく楽になってきてるとおっしゃっていました。つながらーとというイベントを通じて何か知るキッカケになったり、一歩を踏み出すキッカケになったら素敵だなと思いました!
イベントは今週12日(土)大阪城野外音楽堂にて11:00~19:00まで開催されます。イベントの詳細は「つながらーと」公式サイトよりご確認ください。